染谷将太さんと唐田えりかさんが語る「ホラーが教えてくれること」
生きている実感が持てないのは、いま、幸せである証拠なのかも
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どんな時も冷静に〝無〟であろうとする主人公は自分と近いかもしれない(染谷さん)

有形無形のルールに屈していく人間のありさまに震え上がる『チルド』。しかし、撮影中は「すごく穏やか。同世代が多くて和気あいあいとした、笑いが絶えない現場でした」と染谷さん。「変な緊張感がなく、無言でいても大丈夫なくらいの雰囲気。空気感が似ている人が多かったのかもしれません」と、唐田さんも終始、リラックスして過ごせたという。
作品のキャッチフレーズは、《生きながら、死んでいる》。染谷さん演じるコンビニ店員の堺は、まさにそれを体現する人物といえます。静かな狂気を滲ませて店を支配するオーナー(西村まさ彦・演)と店のルールに逆らわず、ただ1日を無事にやり過ごす。そんな彼を、染谷さんは「〝無〟の人」と捉えました。
「周りで何が起きても、それをしっかりと受け止めることをしないし、自分からは何もしない。徹底的にシステムの中で生きていく人で、そこにそら恐ろしさもありますが、逃げているようで逃げていないという微妙なスタンスもとっている。ある種、器用な人間にも思えるし、どんな環境でも冷静を保っていられる部分には、少なからず共感も覚えました。自分自身が、撮影現場にいるときの居方に近いところがあるというか……とくに緊張しやすい場面では、僕もなるべく無の状態でありたいと思っているので」(染谷さん)
冷温停止の状態にある堺とは対照的に、唐田さん演じる小河は〝熱〟を発する人。堺の働くコンビニにアルバイトとしてやってきた彼女は、人としてまっとうな正義感を発揮し、淀んだ店の空気を動かしはじめます。
「唯一、意志をしっかり持った人間なので、まずは物語にスパイスを与える存在になろうと思いました。私と似ているところは、意見をはっきり言うところ? どんな場面でも自分の言葉で語りたい、彼女とのそういう共通項を大事にしながら、小河というキャラクターに挑んでいきました」(唐田さん)
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