染谷将太さんと唐田えりかさんが語る「ホラーが教えてくれること」
生きている実感が持てないのは、いま、幸せである証拠なのかも
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いまでも新人のように緊張する。でも、それを楽しめばいいんですね(唐田さん)

いつでも、何でも必要なものが手に入るコンビニが象徴するように、便利で整ったシステムに守られて暮らしている私たち。しかし、その中で、本当に自分の意志と力で動いている実感を、知らず知らずのうちに削り取られているのかもしれない……本作で、堺がある人物から投げかけられる「生きている実感、ありますか」「いま、生きていますか」という問いは、観る側の胸に刺さります。
「自分はシンプルに、おいしいものを食べたときに感じたり、あとは楽しいとき、逆に、大変だなと思うときにも、明確ではないけれど感じたりしているかもしれません。逆に『生きている』という実感を持たなくていいくらい、いま、幸せでいるということなのかな?とも感じます」(染谷さん)
「たしかに、そうですね。生きていけるのか?という状況でいるときのほうが、より生きている実感は持てるのかも。私も、日々の生活の中で友だちと笑い合っていたり、あるいは、何かに腹を立てていたり、感情が動いているときに、意識的ではないにせよ『生きててよかった』と感じているような気がします。でも、お芝居をしながら自分が想像していなかったような感情に出合えた瞬間には、より達成感がありますね」(唐田さん)
「いま」から目を逸らさないこと。そして、どんなことに対しても、あたりまえだと慣れきってしまわないこと。作品の中で自らのあり方を模索する堺と小河は、そんなメッセージを発しているように感じます。
「自分はもう、日々、慣れない感じです(笑)。なにごとも自分が思い描いたようには進まないですし……。ただ、仕事柄、毎回会う人が変われば、座組の雰囲気も違って、それが楽しいということもある。だから、慣れないことも、楽しみのひとつではあるんじゃないかなと」(染谷さん)
「私は、いつまでもこの世界の新人のような気持ちでいるので、いまのお話を聞いて『あ、染谷さんでも慣れないんだ』と、ちょっと心強くなりました(笑)。『チルド』でもそうでしたが、現場で最初にお芝居をするときは、いつも心臓がバクバクするし、緊張するし……でも、それを楽しめばいいんですよね」(唐田さん)
PROFILE
染谷将太(そめたに・しょうた)
1992年東京都出身。子役として活動ののち、2009年、『パンドラの匣』で映画初主演。11年公開の『ヒミズ』でヴェネチア国際映画祭の新人俳優賞であるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。最近の出演作に映画『廃用身』『教場 Requiem』、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』、テレビドラマ『田鎖ブラザーズ』、Netflix配信ドラマ『イクサガミ』など。『チルド』に続き、7月24日には学園ホラー『だぁれかさんとアソぼ?』が公開される。
唐田えりか(からた・えりか)
1997年千葉県出身。2015年に俳優デビュー。18年公開の映画『寝ても覚めても』で山路ふみ子映画祭新人女優賞、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞する。2026年は『チルド』をはじめ、『禍禍女』『モブ子の恋』『Man』の4本の出演作が公開。ほか、最近作にテレビドラマ『君が死刑になる前に』『102回目のプロポーズ』『浮浪雲』、Netflix配信ドラマ『グラスハート』などがある。
唐田さん:ジャケット¥104,500/KANAKO SAKAI、トップス¥107,800、スカート¥122,100/ともにディーゼル(ディーゼル ジャパン)、イヤカフ¥23,100、ネックレス¥209,000、ロングネックレス¥93,500/すべてジョージ ジェンセン(ジョージ ジェンセン ジャパン) その他/スタイリスト私物
●問い合わせ先
KANAKO SAKAI info@kanakosakai.com
ジョージ ジェンセン ジャパン 0120-637-146
ディーゼル ジャパン 0120-55-1978
[映画]チルド
どこの街角にもある平凡なコンビニ「AnyMart」。24時間灯り続ける店内、補充され続ける商品、繰り返される機械的な挨拶と応対。惰性と習慣に染まった堺は、職場に現れた小河の熱に触れ、凍りかけた心を徐々に開いていくが……。破滅ではなく、終わらない「恐怖」にじわじわと蝕まれる、戦慄の心理ホラー。数々のCMを手がけ、2024年に短編映画『VOID』で注目を集めた岩崎裕介監督の長編デビュー作。実父がコンビニを経営していたルーツに基づき脚本も手がけた本作は、第76回ベルリン国際映画賞国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞に輝き、数々の国際映画祭に招待された。
監督・脚本:岩崎裕介
出演:染谷将太 唐田えりか 西村まさ彦 くるま(令和ロマン) 長島竜也ほか
配給:NOTHING NEW
2026年7月17日(金)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田ほか全国で公開
@『チルド』製作委員会(NOTHING NEW・東北新社)
撮影/白井裕介 スタイリング/清水奈緒美(染谷さん)、丸山 晃(唐田さん) ヘアメイク/光野ひとみ(染谷さん)、江指明美[mod’s hair](唐田さん) 取材・文/大谷道子
この記事を書いた人
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