年齢を重ねる不安、その原因は育った環境にあり⁉
加齢によって外見が変化する恐怖や将来への不安にとらわれてしまう…そんな状態を表す「エイジング・コンプレックス」。年齢を重ねることを上手に受け入れて、心地よく生きていくためには…?
年齢に対する不安やこだわりが、毎日気になるようなら要注意
年齢を重ねていくと、容姿の変化がふと気になったり、将来に不安を感じたりするのは誰にでもあることです。それが大きくなることを「エイジング・コンプレックス」と名付けたのが海原純子さん。実は30代くらいから始まり、40代からは健康への不安、更年期なども相まって女性としてのアイデンティティが揺らぐときなのだとか。時々不安に襲われる程度なら問題はありませんが、外出しなくなったり、常に気がかりになったりする状態は注意が必要です。不安を解消する方法を試しておくとよいでしょう。
育った環境や時代背景も影響している!
エイジング・コンプレックスに陥りやすい人は、子どもの頃の家庭環境や、育ってきた時代背景がかかわっていることも多く、知らないうちにその意識が醸造されていることもあります。
子どもの頃、親や周りの大人が「年をとるのは大変」「結婚は若いうちに」などと口癖のように言っていたような環境だった場合、年をとることがマイナスだというイメージが定着しやすい傾向があります。
また、現代社会には「20代の平均は~」「30代では○○する人が多い」などという調査データがあふれていて、その平均値に収まることで安心したり、たとえば食事の献立を、子どもの好物だから、夫が食べたいと言ったからといった理由で決めることが習慣になっていると、自分の意志、生き方を他人にゆだねることになり、コンプレックスの原因にもなるのです。
人それぞれの価値観、多様性があることを認める意識を持つことが大切です。
お話を伺った方
海原純子先生
医学博士、心療内科医、産業医、昭和女子大学特命教授。時事通信社「Dr純子のメディカルサロン」、 読売新聞「人生案内」、毎日新聞・日曜版「心のサプリ」等で連載や執筆など、幅広く活躍。2013年から2014年まで復興庁「心の 健康サポート事業」の統括責任者として東北各地で活動し、被災地の調査論文で平成28年度日本ストレス学会・学会賞を受賞。1999年より再び音楽活動を開始し、歌手としても活動中。
画像素材/PIXTA
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