【お出かけ情報】
今訪れるべき、おすすめ美術展3選
恐竜と、恐竜が生きた時代に、老若男女問わず興味を抱かずにはいられません。
人々が想像を膨らませた恐竜の姿が一堂に!
悲哀をも感じて見惚れる想像のなかに佇む恐竜の姿
太古の生物を描いた「パレオアート」の世界に着目した、異色の恐竜展。
そのみどころは……?
「恐竜が人類に知られるようになっておよそ200年が経過しましたが、その復元像は古生物学の発展とともに大きく変化しました。
科学的な視点で見れば、過去の恐竜像は知識が欠けていたがゆえの誤った描写であり、現在の恐竜像こそ真実の姿に近づいたものです。
しかし、美術的な視点では、本展で紹介する作品群は、それぞれの時代ごとの科学的知識に応じてアーティストがイマジネーションを羽ばたかせた成果であることに変わりなく、いずれも他に代え難い価値を持っています。
昔の奇妙な恐竜像も、今のリアルな恐竜像も、同じように楽しんでいただければ幸いです」
と、本展企画者でもある神戸芸術工科大学教授・岡本弘毅先生。
とくに注目すべき作品として挙げたのが「ズデニェク・ブリアン《イグアノドン・ベルニサルテンシス》」。
「アメリカのチャールズ・R・ナイトと並ぶ恐竜画の巨匠であるチェコのズデニェク・ブリアンの傑作。
19世紀前半に最初に発見された恐竜のうちのひとつであるイグアノドンの復元像を刷新し、古典的イメージを確立した作品です。
月の光のもと、仲間たちの骨が散らばる中で孤独に佇む姿は、重厚かつ悲壮な美しさをも感じさせます。
尻尾を地面につけて直立する姿勢は現在のイグアノドンの復元像とは異なりますが、その魅力は色あせません」
トップ掲載作品:ズデニェク・ブリアン 《イグアノドン・ベルニサルテンシス》 1950年 モラヴィア博物館、ブルノ© Jirí Hochman – www.zdenekburian.com and Fornuft s.r.o. / Moravské zemské muzeum, Brno
教えてくれたのは・・・
神戸芸術工科大学教授/本展企画
岡本弘毅さん
大阪大学大学院文学研究科修了。1997年より兵庫県立美術館学芸員。『水木しげる・妖怪図鑑』展(2010年)、『怖い絵展』(2017年)などを担当。2023年4月より現職。
『特別展 「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」』
場所:上野の森美術館
開催 :開催中~7月22日(土)
開館 :10:00~17:00、土・日・祝9:30~17:00(入場は閉館の30分前まで)
閉館 :会期中無休
050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://kyoryu-zukan.jp/
こちらの展覧会にも注目!
『瞳の奥にあるもの -表情でみる人物画展-』
世界初の写実絵画専門美術館として開館したホキ美術館で、人物画の表情に着目した企画展を開催。9名の作家が初展示の新作を発表。緻密な写実絵画にさまざまな表情が描かれ、その解釈は鑑賞者へとゆだねられる。
開催中~11月5日(日)
ホキ美術館 https://www.hoki-museum.info/eyes
『出会いと、旅と、人生と。ある画家の肖像
日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち』
兵庫県ゆかりの洋画家、金山平三の生誕140年を記念して開催。金山の交友関係や壁画制作への取り組みなど様々な視点で画業を紹介。金山の代表作に加え、彼と交流のあった美術家による珍しい絵画作品も展示。
開催中~7月23日(日)
兵庫県立美術館 https://www.artm.pref.hyogo.jp/
大人のおしゃれ手帖2023年7月号より抜粋
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