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想像力を搔き立てる、おすすめ美術展3選
美術館すべてが展示会場!200点を超える動物の彫刻、絵画が一堂に
私たちの想像力を搔き立てる、三沢厚彦による動物の彫刻。
「多様性」「多次元性」「シンクロニシティ」をテーマにラインナップされた動物たちの眼差しは、何を語りかけているのでしょうか。
upOTONA2000年に動物の姿を彫った「ANIMALS」シリーズの制作を開始し、現在まで全国の美術館で個展を多数開催している彫刻家・三沢厚彦。
近年では空想上の生き物である麒麟やキメラなど複数の動物のイメージを組み合わせる表現に発展し、現代アートの分野を牽引している存在です。
「親しみやすく、時に獰猛な数多くの動物彫刻により、全国各地で好評を博してきた『ANIMALS』。
本展は、美術館の建築物にアプローチすることで、美術館全体が展示会場となり、ここだけでしか体験できない特別な空間が作り出されました」と、学芸員の森啓輔さん。
なかでも注目すべき作品として挙げたのは《Animal 2020-03》。
「日本を代表する彫刻家の三沢厚彦が、樟を素材に精力的に制作している空想の生物『キメラ』をモチーフとした大型彫刻です。
ライオンの頭に翼、尻尾は蛇といったさまざまな生物たちが『寄木造』で組み合わされ、高さ約2m、奥行き約3.5mとその圧倒的な存在感が特徴です。
人間の想像力への関心から生み出されたキメラの背中には、コロナ禍の世界を象徴するあの架空の生き物が、時代を刻印するように彫られている点も必見です」
代表作に加え、最新作の二本脚で立ち上がるキメラや初の映像作品なども展示され、見ごたえのある展覧会になっています。
「現代アートをリードしてきた彫刻家の多次元的な世界観を、ぜひご堪能ください」
トップ掲載作品:三沢厚彦《Animal 2020-03》2020年 ©Misawa Atsuhiko Courtesy of Nishimura GalleryPhoto by Misawa Atsuhiko
教えてくれたのは・・・
千葉市美術館 学芸員
森 啓輔さん
専門は日本近現代美術、美術批評。高松次郎、もの派を中心とした1960~70年代の美術動向の研究と並行して、絵画、彫刻に関する現代アーティストの展覧会を企画・担当。
企画展『三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions』
場所:千葉市美術館
開催 :開催中~9月10日(日)
開館 :10:00~18:00(金・土曜は~20:00)※入場受付は閉館の30分前まで
閉館 :第1月曜 ※8月21日は休室日
043-221-2311
https://www.ccma-net.jp/
こちらの展覧会にも注目!
『劉建華(リュウ・ジェンホァ)
中空を注ぐ』
上海を拠点に活動する芸術家・劉建華(リュウ・ジェンホァ)の、日本で初めてとなる個展。
ペットボトルや靴などの日用品を磁器で制作した《遺棄》(2001年-2015年)など、初期から近年までの作品を紹介。
開催中~11月19日(日)
十和田市現代美術館 https://towadaartcenter.com/
『浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念
特別展「聖地 南山城 -奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-」』
奈良市に隣接する京都府最南部の地域「南山城(みなみやましろ)」。
仏教伝来後から江戸時代まで、日本仏教の聖地であり続けた南山城と周辺地域の寺社に伝わる仏像や神像、絵画や典籍・古文書、考古遺品などを一堂に展示。
開催中~9月3日(日)
奈良国立博物館
https://yamashiro-nara.exhn.jp/
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