免疫力は”うつる⁉”
知っておきたい免疫力アップ術
『大人のおしゃれ手帖』2023年9月号掲載の「夏にバテない免疫力を高めるAtoZ」特集では、医学博士の奥村康先生に免疫力アップのための食事について教えてもらいました。長年、免疫研究の第一線で活躍されている奥村先生の取材時には、免疫力にかかわるおもしろい話がてんこ盛り。誌面ではご紹介できなかった、こぼれ話をお届けします。
不規則な生活が免疫力に影響するのは
「NK細胞」の活性が夜に下がるから
大人世代の免疫力アップのカギを握るのが「NK細胞」です。全身をパトロールし、見つけた敵をその場で排除してくれる遊撃部隊ですが、夜よりも昼間のほうが元気だとか。「NK細胞の活性には日内変動があって、昼間の活動時に高く、夜の休息時には低くなるように調整されています」。不規則な生活をしていると、NK細胞の日内変動が乱れてしまいます。すると、日中の活動時にNK細胞の活性が低くなり、敵を見逃してしまう危険性が。起床と就寝のリズムを、ある程度保って生活することを心がけましょう。
明るく楽しい人の近くにいると
免疫力も高まる⁉
『大人のおしゃれ手帖』9月号の誌面でもご紹介したように、NK細胞の活性を低下させる大きな要因がストレス。動物実験では、子どもを奪われて非常に大きなストレスを抱えている母親の近くにいると、もともと元気だった仲間もNK細胞の活性が下がってしまうことがわかっているそう。「詳細なメカニズムは解明されていませんが、NK細胞の活性の低下が“うつった”と考えられます。ですから、NK細胞の活性を高く保つには、明るい人の近くでたくさんおしゃべりをしていたほうがいいかもしれませんね(笑)」
適量飲むなら、アルコールも
免疫力アップに活用できる
ステイホームの生活から徐々に活動範囲が広がってきた昨今。お酒を飲む機会も増えそうですが、免疫力の観点からすると、アルコールとはどう付き合うのが正解でしょうか?「お酒の飲み過ぎは肝臓に負担をかけ、免疫力も低下させてしまいますが、適量ならおすすめ。肝臓への軽い刺激が免疫力アップにつながりますし、精神的ストレスの解消にもなります」と奥村先生。アルコールの許容限度は「二日酔いにならない程度の量」。この適量を守りさえすれば、毎日飲んでも大丈夫だそう。仲間との楽しいお酒や、秋の夜長の晩酌を楽しんでみては。
教えてくれたのは……
奥村 康 先生
順天堂大学医学部免疫学特任教授。医学博士。免疫細胞・サプレッサーT細胞の発見者で、免疫学の国際的権威。わかりやすい解説にも定評があり、テレビ出演のほか、『面白いほどわかる免疫の新常識』(宝島社)、『免疫力が上がるお得技®ベストセレクション』(晋遊舎)など監修書・著書も多い。
文/寺本 彩 画像協力/PIXTA
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