【50代のおりもの】量・色・においの変化は更年期のサイン?東洋医学で分かる原因とタイプ別食事・生活ケア
更年期に多い、デリケートゾーンの乾燥をともなう2つのおりものタイプ

全身の潤いのもととなる水分は、「五臓(ごぞう=体の機能を大きく5つに分けた東洋医学の考え方)」の「腎(じん=生命力の源)」に蓄えられていると東洋医学では考えられています。しかし腎の働きは年齢とともに低下してしまうため、更年期世代になると肌や粘膜などの潤いも低下し、その影響で腟内を潤すおりものも少なくなる傾向があります。
しかしそうした加齢による影響に、過労、睡眠不足、過剰な発汗、ストレス、性生活の過多などの要因が加わると、腎にさらなる負担がかかって実年齢以上の潤い不足になりやすく、おりものの量も極端に少なくなることがあるのです。この状態は「陰虚(いんきょ)」(専門的には「腎陰虚(じんいんきょ)」)と呼ばれるもの。デリケートゾーンが乾燥するために下着がこすれてヒリヒリする、痛みや違和感がある、かゆみを感じるなどの不調が見られるほか、夕方から夜にかけてほてりやすくなる、寝汗をよくかく、寝つきが悪くなる、口やのどがよく渇くといった不調をともなうことも多いです。
当てはまる場合は、まずは睡眠時間を見直してみましょう。最近、就寝時間が遅くなっていませんか? 東洋医学では、体内で潤いが作られるゴールデンタイムは23時~午前2時と考えられています。この時間帯に起きている生活が続くと、実年齢以上の潤い不足に陥りやすくなることに。おりものが極端に少ないと感じるときは、できるだけ23時には就寝することを目指してみてください。また、長風呂や熱すぎるお湯での入浴、過度なサウナなどは、汗のかきすぎによって体内の潤いを過剰に消耗してしまいます。汗はじんわりとかく程度にとどめましょう。デリケートゾーンの洗いすぎにも注意して、乾燥がひどいときは保湿ケアを。食事面では辛いものや多量のアルコールは潤いを消耗するので控えめにし、腎の働きを補う黒ごまや黒豆、潤いを補うやまいも、白ごま、くこの実、豚肉、いか、ほたてなどをよくとることがおすすめです。
デリケートゾーンの乾燥や痛み、かゆみなどはあるけれど、おりものの量は多い……という人もいるかもしれません。これは「乾燥しているのに不要な水はたまっている」という、更年期に多く見られる状態。潤い不足の陰虚ではあるけれども、不要な水(=湿)がたまっていることから「陰虚挟湿(いんきょきょうしつ)」と呼ばれています。
不要な水がたまっている原因は、腎に加えて、五臓の「脾(ひ≒胃腸機能)」の働きも低下しているため。脾の働きが低下すると水分代謝が悪くなり、必要な水分を吸収する力と、不要な水分を排出する力のどちらも低下。そのため、デリケートゾーンは乾燥するのにおりものの量は多くなるという、相反する変化が同時に現れてしまうのです。
陰虚挟湿の場合、おりものの量が多く少し粘り気がある(色は白っぽい、あるいは少し黄色みを帯びることも)、のどは渇くが水はそれほど飲みたくならない、夕方になるとほてりやすい、下半身がむくみやすい、胃腸がすっきりせず体が重だるいなどの傾向が見られます。潤いを補うためのケアについては陰虚の養生と同じですが、陰虚挟湿の場合はプラスして脾を補う養生も大切。まずは散歩や足腰のストレッチなどで、下半身にたまりがちな余分な水分を排出しましょう。汗をかきすぎると体に必要な水分も消耗してしまうので、軽く汗ばむ程度の運動強度に調整を。また、デリケートゾーンが蒸れやすくなっているので、通気性がよくてそけい部を締めつけない下着を選ぶといいでしょう。食事面では、脂っこいものや甘いものは余分な水分をためやすくなるため、できるだけ控えて。必要な潤いを補いつつ余分な水分は排出する黒豆や小豆、脾の力を補って余分な水分を排出するはと麦やとうもろこし、潤いを補うやまいもや白ごまなどの食材から、「潤いを補う食材」と「余分な水分を排出する食材」を組み合わせてとり入れるのがコツです。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
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