“架空の動物”を腕に。リサ・ラーソンの孫、エミリア・エクマン・ラーソン監督が語る祖母への愛と映画への思い
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スウェーデンを代表する陶芸家で、2024年に92才で他界したリサ・ラーソン(1931年~2024年)。彼女が生み出した赤と白のしま模様の猫「マイキー」やハリネズミ「ハリエット」などのキャラクターを見たことがある人も多いのではないでしょうか。現在発売中の『大人のおしゃれ手帖』10月号の付録でもコラボレーションしています。
そんなリサの孫であり新進の映画作家であるエミリア・エクマン・ラーソン監督が、愛する祖母の素顔と人生、そして晩年を見つめたドキュメンタリー『リサ・ラーソンがいた時間』が公開中です。本作のプロモーションで初来日したエミリアさんに、インタビューを行いました。
『大人のおしゃれ手帖』10月号の付録詳細はこちらから
目次
リサの“失敗作”が並んだ石壁は私たち家族の魂

© 2025 Kamlert Film AB, Film i Skåne AB, Sveriges Television AB
この日は映画公開の2日前ということもあり、「早く日本のみなさんの感想を聞きたい!」と瞳を輝かせていたエミリア監督。本題に入る前に、『大人のおしゃれ手帖』10月号(通常号&増刊号)の「リサ・ラーソン」コラボ付録をプレゼントすると、ポーチを見て「ワオ! かわいい、ありがとうございます」と日本語で答えてくれました。喜んでいただけたことにほっとしながら、さっそくインタビューを開始。

――祖母と孫としてのパーソナルな交流と芸術家としての対話がバランスよく描かれていて、興味深いエピソードが多く、繰り返し観たくなる作品でした。特にまた観たいと思ったのが、リサさんの庭の石壁です。リサさんが投げ捨てた“失敗作”の人形などを夫のグンナルさんが拾い集めて石壁のすき間に並べていった、というエピソードに、リサさんの創作魂とグンナルさんの優しさが詰まっているように感じます。映画はあの石壁に始まり石壁で終わりますが、それはエミリアさんのこだわりでしょうか。
エミリア・エクマン・ラーソン監督(以下、エミリア):はい、最初からあの石壁を入れたかったんです。というのは、あれは映画の魂であり、私たち家族の魂でもあり、特別な場所なんです。あの石壁は、いろいろなことを語ってくれています。本作の英題は「Memories In Clay:A Film About Lisa Larson」なのですが、リサは自分の感情や記憶を粘土の作品で表現していて、でも「うまくいかなかった、もういらない」と言って捨てたものがたくさんあります。それをグンナルが「これだって君のアートだよ」と拾って石壁に置いたんです。
――映画のなかで、晩年のリサさんが、お気に入りではない古い作品を見ながら、「良さはすぐにはわからない」と言うシーンがありました。あの“失敗作”が並んだ石壁も、時がたち、リサさんのお気に入りになったのでしょうか。
エミリア:あの石壁の映像に美しい音楽をつけてリサに見せたら、「すごく素敵ね」と言うので、「だから言ったじゃない、素敵だって」と返したんです。リサは「あなたが良い映画作家なのよ」と褒めてくれましたが、きっとリサもあの壁を気に入っていたのではないかなと思います。
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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