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大人のおしゃれ手帖
2026年11月号

2026年10月7日(水)発売
特別価格:1780円(税込) 
表紙の人:木村多江さん

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【酒井順子さんエッセイ】中高年ディスコが今熱い! DJオッシーのイベントで実感した大人の新・社交場

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酒井順子さんエッセイ「ディスコは高齢者の新・レクリエーション⁉」

ディスコは高齢者の新・レクリエーション⁉

先日、いわゆるひとつのディスコに行ってきました。
ディスコ世代の私、若い頃にはよく行ったものですが、今回はセカンドバージン状態です。

昨今は、中高年のためのディスコイベントが、流行っているのだそうです。
仕事も家庭も落ち着いてきた時、懐かしの曲で、また踊りたいと思う人が多いのでしょう。

特にDJオッシーさんという方は、そんなムーブメントの牽引者。同世代の友人達と、オッシーさんのイベントへ繰り出しました。

ハタと悩んだのは、「何を着るべきか」です。クラブとは異なり、かつてのディスコへは、少し派手な格好で行っていた気がします。
が、張り切って高いヒールの靴など履いて、靭帯を切ったりしたくない。スニーカーにパンツにTシャツという、ほとんどスポーツウェアのような格好で馳せ参じました。

大音量が流れる会場に足を踏み入れた瞬間、往年のディスコキングだった先輩にばったり出くわして、タイムスリップ感を覚えた私。かつてのキングやクィーンの顔には、時の経過がもたらす年輪が、しっかりと刻まれています。

おじさんが帽子をかぶって踊っているのは、薄毛隠しでしょう。
露出度の高いワンピース姿で踊る女性の二の腕の肉は、リズムに合わせてはためいている。
しかし私は、踊っている人達がどんなにダサくても老けていても、気になりませんでした。

ここにいる人達は皆、今日までの人生であんなことやこんなことを乗り越えてきた。皆さん大
変でしたね。……という仲間意識が湧いてきたのです。

ディスコには、チークタイムというものがあります。バラードが流れてカップルが二人だけの世界に浸る時間なのであり、今回も実施されていました。するとダンスフロアには、車椅子の男性が女性としっとり踊る姿が。これもまた、大人の集いならではの姿でしょう。

DJオッシーさんは、お酒もタバコも無しの、高齢者向けディスコイベントも開催しているのだそう。輪投げやお手玉のレクリエーションでは満足できない高齢者が、今や登場しているのです。

「私達が高齢者施設に入る頃には、ミラーボールが標準設備になっているかもね」
などと語っているうちに、イベントは終了。
中高年向きなので、夜の十時までという健康的な時間設定なのです。

確かに、深夜になっても踊り続ける元気は、もうナシ。
「そういえば、ディスコが終わる時間までいるって、生まれて初めてかも」と思いつつ、私は久しぶりに味わう心地よい疲労感に浸っていたのでした。

酒井順子さん
1966 年、東京生まれ。高校在学中から雑誌『オリーブ』にコラムを執筆。大学卒業後、広告会社勤務を経て執筆業に専念。2003年刊行の『負け犬の遠吠え』がベストセラーに。近著に『ひのえうまに生まれて-300年の呪いを解く』(新潮社)。

文/酒井順子 イラスト/升ノ内朝子

大人のおしゃれ手帖2026年10月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人

酒井順子さん

1966年、東京都生まれ。高校在学中から雑誌『オリーブ』にコラムを執筆。
大学卒業後、広告会社勤務を経て執筆業に専念。
2003年刊行の『負け犬の遠吠え』がベストセラーに。近著に『老いを読む、老いを書く』(講談社)、『松本清張の女たち』(新潮社)。

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