“架空の動物”を腕に。リサ・ラーソンの孫、エミリア・エクマン・ラーソン監督が語る祖母への愛と映画への思い
記事公開日
最後のハグ、撮影はしないと決めていましたが……

――今回、カメラを通してリサさんと交流をして、一番思い出に残っているシーンは?
エミリア:最後にリサと会ってハグをするシーンです。あの頃、私はすごく焦っていたんです。リサが亡くなる前に映画を完成させなければと。でも、あのときは最後になるかもしれないということで、一応カメラは持っていたものの、撮影はしないと決めていました。ただ、やはり撮りたくなって、彼女に尋ねたら、「もちろんいいわよ。あなたはアートを作っているんだから」と言ってくれました。とても思い出深いです。
© 2025 Kamlert Film AB, Film i Skåne AB, Sveriges Television AB
――あのシーンは、クリエイターとしてのエミリアさんを孫としてのエミリアさんが越えていくようで、あふれる気持ちに感動しました。では、リサさんの数多の作品のなかで、エミリアさんの一番のお気に入りは何ですか?
エミリア:“ユニークピース”と呼んでいるのですが、リサが即興で作ってまだ粘土に指の跡が残っているようなものが私にとってはエモーショナルな作品です。リサは2歳の時に母を亡くして妹とも別れなければならなくなった、と話していましたが、だからこそリサが作る母と娘や姉妹の像を見ると、感傷的になります。あとは、これ!(と話しながら、袖を下ろして腕のタトゥーを見せてくれたエミリアさん)。

――わあ、それは映画にも出てきたキャラクターですね。
エミリア:“架空の動物”です。私の小さい弟とリサが古いスケッチを見ながら話していて、弟が「おばあちゃん、おしっこしたいんだね。先に行っていいよ。僕、待ってるから」と言うシーンがありましたが、あのときに見ていたアニマルを私はとても気に入って、タトゥーにしているんです。
――素敵ですね。ご家族のシーンでいえば、あれほど多くのホームビデオを撮られていたことにも驚きました。エミリアさんが子どもの頃に祖父母を題材にした楽しい寸劇を披露していましたよね。私には珍しいことに思えましたが。
エミリア:我が家では親の代からサーカスのショーみたいなことを毎年やっていたんです。祖母の古い洋服を着たりして。映画に入れたのは、祖父のグンナルが75歳の誕生日の時にみんなで演じた「クレイジー・グンナル」という寸劇です。我が家ではふつうのことでしたが、映画のプロデューサーや編集者に見せたら「これは最高! こんなユニークなものはないよ」と言われたので、珍しいのかもしれません。昔のビデオの断片を集めるのも楽しい作業でした。
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
Googleで大人のおしゃれ手帖webをフォロー!
Googleで大人のおしゃれ手帖webをフォロー!




