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2024年4月6日(土)発売
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更年期に悩む人へ
「ホルモン補充療法」との上手な付き合い方

大人のおしゃれ手帖編集部

女性ホルモン補充療法をもっと利用しよう

急激に減っていく女性ホルモンを補い、数多くある不調を解決できるのがホルモン補充療法(HRT)。
大きな副作用も少ないので、悩んでいる人は婦人科に相談を。

教えてくれたのは・・・
松村圭子先生
日本産科婦人科学会専門医、成城松村クリニック院長。
広島大学医学部附属病院などの勤務を経て現職。
初経から更年期まで、女性の健康をサポートする。生理日管理アプリ「ルナルナ」や、女性のリズム管理デバイス「わたしの温度」を監修。『オトナ女子のためのカラダの教科書』(宝島社)ほか、著書多数。


つらい症状を改善できて骨粗しょう症などもリスク減

更年期障害の原因である女性ホルモンの減少は、外から補うことができます。
これがHRT。更年期障害の原因を根本から解決するので、同時に出てくるさまざまな症状を一気に改善できます。

「ただ、日本ではホルモン剤に対してあまりよくないイメージを持つ人が多く、左下の表のように海外に比べると普及率が低いのが現状。
乳がんになるリスクが上昇するといわれていますが、ある研究では、乳がんのリスクの上昇は0・03%程度なのがわかっているので、重い更年期障害が出ている人には、ぜひ検討してほしいです」 

HRTで使うホルモン剤の量は低用量ピルよりも少量。
一般的に閉経前の人は軽い出血が定期的に起きる使い方、閉経後の人は、出血が起きない使い方をします。
症状の改善が速やかなので、すぐに治療をやめてしまう人もいますが、年単位で継続してこそ、状態は安定します。

HRTには、骨を丈夫に保ち、薄毛や乾燥肌などを改善する効果もあります。
閉経後も長い人生、QOLをあげるために有効な選択肢です。


世界と比較しても日本のHRT普及率は圧倒的に低い!

出典:V.LuNdberg et al.Matsuritas 48200439-43 更年期と加齢のヘルスケアVol.8200960-66より

欧米では一般的な治療法である、ホルモン補充療法。
海外ではすでに20年以上の実績がある治療です。
フェムテックのひとつとして日本でも普及が望まれます。


ライフスタイルに合わせて続けやすい方法を選べる

HRTで使う薬は主に3タイプ。
既往歴やライフスタイルなどを医師に相談して、続けやすいもの、体質に合うものを処方してもらいましょう。

女性ホルモン補充療法

ジェル状の薬を皮膚から吸収させます。
胃腸や肝臓への負担は減少します。

女性ホルモン補充療法をもっと利用しよう

飲む

ふつうの薬と同じ錠剤を飲むパターン。
毎日同じ時間に飲み続けることが大切です。

女性ホルモン補充療法

貼る

シートタイプの薬を貼ることで、皮膚から直接血管に吸収されます。
2~3日で貼り替えます。


HRTを受けられない人・注意が必要な人

・ 乳がん・子宮体がんにかかっている、 またはその疑いや既往がある人
・ 重度の子宮内膜症、子宮筋腫がある人
・ 肥満など、血栓症のリスクがある人
・ 閉経後10年以上たっている人
・ その他(肝障害、腎障害、高血圧、糖尿病などがある)
など

乳がん、子宮体がんが隠れている場合、女性ホルモンで進行してしまう可能性があるので、検診を受けることが大切。
上記のような疾患がある場合も相談を。


更年期の治療には漢方薬も有効

HRTが女性ホルモンを補うのに対して、体質を改善して更年期の症状をやわらげるのが漢方薬です。
特に、メンタルの症状が絡む場合は、漢方薬が効果を発揮します。

漢方薬というと効き目が穏やかなイメージがありますが、症状によっては、即効性があります。 

更年期障害で処方されることが多いのは、次の三つ。
ただ、症状だけで薬を選ぶのではなく、体質に合わせたものを選ぶことが重要です(チェックリストはほんの一部)。

病院や漢方薬局で判断してもらうのがいちばんですが、できない場合は適応をよく確認して。
更年期障害に対して医師が処方する場合は保険適用、そのほかは自費です。

漢方の体質チェック例

実証タイプ
□ 体力がある
□ 筋肉質でがっちり
□ 血色がよく、 肌つやがある
□ 胃腸が強くて便秘気味
□ 暑がり

虚証タイプ
□ 体力がなく疲れやすい
□ 筋肉が少ない
□ 冷えやすい
□ 胃腸が弱くて 下痢をしやすい
□ 寒がり


つらい更年期にアプローチ おすすめ漢方

加味逍遙散(かみしょうようさん)
逍遥は「うろうろ動き回る」という意味で、更年期のうつろいやすい症状に有効。
精神不安、めまい、中途覚醒などに。
虚証と実証の間の中間証に処方されることが多い薬です。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
めまい、立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷えなどを改善。
やせていて体力のない虚証の人に向いています。
月経痛など、若い人の不調にも処方されることが多い漢方薬。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
更年期障害の中でも、血管系の症状に強く、頭痛やのぼせ、ほてりなどの症状を改善。
体力がありがっちりした体格の実証の人に合います。
過多月経の人にも処方される薬です。


文/田中絵真 イラスト/nanaoka

大人のおしゃれ手帖2023年4月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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