知っておくべき! 身近な「シン・防災グッズ」
大人のおしゃれ手帖編集部
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地震大国でもあり、歴史的猛暑や記録的大雨による洪水など大規模な災害が多い日本。いつ襲ってくるか分からない怖さはありつつも、備えあれば、知っておけば、憂いなし。さらにアフターコロナでもある昨今、アップデートしておきたい防“菌”情報やウイルス対策について考えてみませんか?
教えてくれたのは…
シナネンゼオミック
プロジェクト担当(抗菌博士)
梶浦義浩さん
1985 年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック®」の研究・開発に従事。コロナ禍で、子ども向けの抗菌授業で抗菌博士として講師を務める。
Kenvue
研究開発本部 プリンシパルサイエンティスト
水野紗耶香さん
大学院で分子生物学を専攻、消費財メーカー研究部門を経て、2021 年ジョンソン・エンド・ジョンソン コンシューマーヘルス(現Kenvue)へ。様々な商品の研究開発を行っている。
シン・防災のキーワードは“口の中”!
「大地震や大きな洪水・土砂崩れの発生後、避難生活を送るうえで一番の問題は、水道が止まること。ウイルスや菌をはじめ、汚れを予防したり、落とすことができなくなります」と教えてくれたのは、抗菌博士こと梶浦義浩さん。
「菌は、温度、水分、栄養分の3つの条件が揃うと増えます。特に暑い季節の避難生活で注意したほうがよいのは、カビと食中毒です。カビによってアレルギーが急に出たり、最悪の場合は非常に稀ですが肺にカビの胞子が入ることも。その場合は肺のなかでカビが生えるケースがあって、非常に危ないです。あとは食中毒が発生しやすいので、下痢や嘔吐が続いて脱水症状になったり。どちらも命にかかわることもあり、やはり防“菌”はとても大切なんです。
一方で、寒く、乾燥してくるこれからの季節で気をつけたいのは、新型コロナに代表されるウイルス。菌とウイルスは発生条件や治療方法が異なるのですが、ひとつ共通しているのが口腔内からカラダに侵入する可能性が高いということ。日々暮らすだけでも大変な毎日のなかで意識が回らないかもしれませんが、避難生活のときこそ口の中をキレイに保つか保たないかで、健康状態に多大な差が出ます」
口の中のキレイを保つには、12~24時間が勝負!
Kenvueの研究開発本部に所属する水野紗耶香さんはさらに一日一度は口の中をキレイにするタイミングを作るのがポイントと言います。
「菌単体ですとすぐに殺菌ができるのですが、『バイオフィルム』という菌同士が固まって要塞のような形態になってしまうと、殺菌がなかなか難しくなります。菌が口のなかに発生して『バイオフィルム』になるまで12~24時間と言われていて、この間にいかに汚れを落とすかが鍵。避難生活では、歯ブラシがなかったり、断水などの影響で口をゆすぐことも難しいときが多々あると思いますが、そのときにできる方法で口の中の状態をよくしておくことは、実は災害時にも健康を守るうえではとても大切なんです」
そこでオススメなのが薬用マウスウォッシュ。とくに水野さんが開発に携わった「リステリン®トータルケア 歯周マイルド」は、リステリン®史上最少級の刺激。日本向けに味を一から開発し、さらに殺菌しづらいといわれている「バイオフィルム」に浸透し、なかまで殺菌をしてくれます。
「災害時、とくに口の中というのは、熱が出たり血が出たりといった、目に見える形で症状が出にくく、おろそかになりがちなんです。薬用マウスウォッシュを防災グッズとして取り入れるのは、理にかなっているんです」
小さな切り傷でも油断はNG!
「災害時には、割れたガラスが散らばっていたり、慣れない場所で長時間過ごさなければならならないという理由でケガをする確率も上がります。加えて、身の回りに菌が増えている状況で暮らさなければならないので、ちょっとした切り傷から二次感染を引き起こすこともあります。傷口はしっかり覆って、ばい菌が侵入するのを防ぐようにしてください」と、水野さん。
医療現場のテクノロジー*¹をいかした「キズパワーパッド™」は、最長5日間*²貼り続けられ、傷の治りを早めてくれるため、災害のときのケガにも活躍してくれます。部位に合わせた多種多様な形状やサイズがあるので、これも防災グッズとしてぜひ取り入れてみたいアイテムです。
*1:モイストヒーリングのこと
*2:2、3日に一度、貼付状況・傷の様子を確認してください
ペットのにおい対策グッズにも◎な制刊スプレー
意外と盲点、と梶浦さんが教えてくれたのは、大切なペットの菌やにおい対策グッズ。
「ペットを避難所に連れていくケースがあると思いますが、ケージやペット用シーツはマストで準備しておいたほうがよいと思います。さらに実は役立つのが、銀イオンが配合されたパウダースプレー。これをペットの寝床や、よくいるスペースにかけておくとにおいや菌の発生を防いでくれます。もちろん、避難生活ではお風呂もなかなか自由に入れないので、人間用の防“菌”グッズとしても◎。ひとつ持っておくととても便利です」
高価で特別なものでなくても、私たちの普段の生活のなかにあるアイテムで防“菌”は叶うそう。防災グッズの見直しの機会に、ぜひ、取り入れてみて!