【著者インタビュー】栗原はるみさん
「知っているようで知らない京都の魅力」とは？

【著者インタビュー】栗原はるみさん「知っているようで知らない京都の魅力」とは？

初めてのガイドブックを刊行した料理家の栗原はるみさん。
自身が好きな「京都」をギュッと詰め込んだ一冊です。
知っているようで知らない京都の魅力とは？

自分の足で歩いて見つけた”普段の京都”を集めました

「これまで京都は仕事や取材で何度も訪れましたが、そのときは撮影に追われてしまって、時間をかけて話を聞いたり、名所を見てまわるのも難しく、実はじっくり自分の足で歩いてみたことがありませんでした。
こんなに何度も来ているのに、京都のことを知っているようで知らない。日本人として生まれたからには、伝統や文化も含めて、京都のことをもっと深く知りたくなったのです。
私は”人生でやりたい100のこと”というリストを何年か前に作ったのですが、京都をもっと知ることは、やりたいことリストのひとつでもありました」

この本では、栗原さんが実際に京都の街を歩いて見つけた場所や、京都通に教えてもらって訪れ、気に入ったスポットだけを厳選していると言います。

「私も京都の初心者なので、好きな場所は、自分が今後も行くために一冊にまとめておけたら……という思いがあり、今回のガイドブックができました」

ガイドブックを作るにあたって決めていたことがあったそう。
「京都は日本の中でも特別な場所。伝統や格式のあるすばらしいお店もたくさんあります。ときには非日常を味わえるそんな贅沢もいいと思いますが、私はもっと気軽に〝普段の京都を楽しみたい〟という気持ちがありました。
だから、定番的な京都の観光スポットより、地元の人が訪れるお店や、ひとりでも気軽に立ち寄れる場所をたくさん紹介しています」

街のうどん屋や錦市場の定食屋、居酒屋や立ち飲み屋、スーパーマーケットまで、飾らない京都の魅力に触れることができます。

また紹介しているお店やスポットのひとつひとつに、栗原さんの推しポイントがていねいに添えられているため、情報に深みがあり、旅情がよりかき立てられます。

「小さいお店は夫婦や兄弟など、家族経営をされているところも多く、そのあたたかさやキビキビと働く姿に心が打たれることがたくさんありました。お店の方や、お店で隣り合ったお客さんとの交流などもとても印象に残っています。
こうした人との触れ合いも、京都の旅の楽しさなのだと思います。私もこの本を持って京都を訪ね、新しい情報を書き添えていこうと思います。みなさんの京都の旅に、この本がお役に立てたらうれしいです」

『私の京都』
栗原はるみ
￥1,760（講談社）

栗原はるみさんが実際に歩き、おすすめしたいと思ったスポットを厳選した京都のガイドブック。居酒屋やカフェ、定食屋などの飲食店、スーパーマーケット、神社仏閣など、普段の京都が満載。栗原さんと一緒に京都を旅している気分になれる一冊。

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photograph: Keiichi Sudo　text: Itsuko Uchida

大人のおしゃれ手帖2023年12月号より抜粋
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