【新作映画】
罪と罰をめぐる、目が離せないドラマ3作
何度裁かれても自由を求める同性愛者の闘いから現代社会を映し出す緊迫感あふれる法廷劇、
ハラハラドキドキの展開で見せ切る韓国ドラマまで・・・
一瞬も目が離せなくなる罪と罰をめぐる3本を紹介します。
『大いなる自由』
©2021FreibeuterFilm•Rohfilm Productions
ありのままの姿で愛を貫く自由のために闘った男の記録
男性の同性愛を禁じる刑法175条が施行されていた、第二次世界大戦後のドイツ。
ハンスは性的指向によって強制収容所から刑務所に移送されていた。
同じ房で出会ったヴィクトールは彼を避けていたが、長い歳月をともに過ごすうちに関係に変化が訪れる。
終戦後、恋人と一緒に投獄された1957年、刑法が改正された1968年と3つの時代の時系列を組み替えて描かれる、自由を求め続けた男の闘いの記録。
ハンスはたとえ何度投獄されても絶対に愛することを手放さず、ときには聖書に穴を開けてラブレターを綴る。
ハンスが入れられる独房の闇はあまりにも深いが、その度に彼の信念はより強くなっていくかのようだ。
自由が与えてくれるものと、人を愛し抜くことの違いとは一体何か。
ラストカットの衝撃が、いつまでも後を引く。
監督:セバスティアン・マイゼ
出演:フランツ・ロゴフスキ、ゲオルク・フリードリヒ、アントン・フォン・ルケ、トーマス・プレン
Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開中
『サントメール ある被告』
© SRAB FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA – 2022Netflix
彼女は本当に娘を殺害したのか実際の裁判記録から生まれた物語
フランス北部の町、サントメール。
妊娠中の若き女性作家が生後15カ月の娘を海辺に置き去りにして殺人罪に問われているロランスの裁判を傍聴する。
セネガルからフランスへと留学してきた彼女は、本当に我が子を殺した“モンスター”なのだろうか−?
実際の裁判記録をセリフに取り入れ、観る者を緊迫感あふれる空間へと引きずり込む法廷劇。
完璧なフランス語を話しながら呪術に頼ったとも話すロランスや、娘の父親である初老の男性の証言が重ねられるたびに、真実は薮の中へと逃げ込んでいく。
しかしこの裁判から確かに浮かび上がってくるのは、母性神話の呪縛やマイノリティへの偏見といった現代社会の断面だ。
母という生き物について語られる最終弁論まで一瞬も目が離せない、ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作。
監督:アリス・ディオップ
出演:カイジ・カガメ、ガスラジー・マランダ、ロベール・カンタレラ
Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開中
〈Netflix〉
『クイーンメーカー』
権力に立ち向かう女たちの奮闘の行方は?
スピード感あふれる展開に一気見必至
財閥企業で様々な後始末をしてきた敏腕フィクサーのファン・ドヒ。
ある悲劇をきっかけに雇い主だった大企業の横暴を暴く覚悟を決め、人権弁護士のギョンスクを市長にするために政治の世界へと足を踏み入れる。
壮絶な復讐劇『夫婦の世界』のキム・ヒエと、『オアシス』などで知られる名優、ムン・ソリというベテランが共演を果たしたNetflixシリーズ。
広報室でメディアを操ってきたイメージ戦略のプロであるドヒと、弱きを助けるために髪を振り乱して活動してきたギョンスク。
正反対のふたりが巨大な組織に立ち向かっていく様が、スピード感たっぷりに描かれる。
階層の違う人間を虫ケラのように扱う権力者の徹底的な悪役ぶりに歯噛みしながらも、一気見必至。立場を超えていく女たちの連帯にも胸が熱くなる!
監督:オ・ジンソク
出演:キム・ヒエ、ムン・ソリ、リュ・スヨン
Netflixシリーズ「クイーンメーカー」独占配信中
選・文/細谷美香
大人のおしゃれ手帖2023年8月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
この記事の画像一覧
この記事を書いた人
ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中! ※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Instagram:@osharetecho
Website:https://osharetecho.com/
お問い合わせ:osharetechoofficial@takarajimasha.co.jp
関連記事
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
PR
-
PR
-
PR
-
PR