【尿もれ対策】更年期世代が“ちょいもれ”に悩んだらやるべき3つのこと
更年期になると、女性特有の下半身トラブルが増えてきます。
自分ひとりで悩むことなく、残りの有意義な人生のためにも、今すぐ始めたいフェムケアを考えてみましょう。
教えてくれたのは・・・
産婦人科医
吉形玲美先生
浜松町ハマサイトクリニックにて診察のほか、予防医療研究にも従事。
尿トラブルを含むフェムケアなど、女性のホルモンマネージメントを得意とする。
著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社)など。
下半身悩みを放っておくと
病気につながりやすくなる
女性は生理が始まって以降、毎月辛い思いをしたり、婦人科系疾患とも隣り合わせ。実は閉経後も、下半身を中心に女性特有のトラブルに悩まされることがあります。具体的には、尿もれや頻尿といった尿にまつわるトラブルや、フェムゾーンのカサカサ感やかゆみ、おりものの変化、においなど。
一体なぜトラブルが出てきてしまうのか、フェムケアに詳しい産婦人科医の吉形玲美先生に教えていただきました。
「閉経後のさまざまなトラブルをGSM(閉経後性器尿路症候群)といいます。その原因のひとつは、更年期から女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に低下していくことです。
エストロゲンには、腟内や外陰部などの粘膜を潤して柔らかく保つ働きがあります。そのため、エストロゲンが減少すると腟粘膜が薄くなって乾燥しやすくなります。その状態は顔や体の肌と同じで、かゆみや痛みなどの症状が出やすくなります。
また、エストロゲンには腟内を酸性に保つ働きがあります。酸性にしておくことで自浄作用が働き、雑菌や病原菌を寄せつけません。エストロゲンの減少と同時に腟粘膜に存在するグリコーゲンも減少。グリコーゲンは腟内を酸性に保つ乳酸を作る働きをするので、減少してしまうと、腟内細菌叢そ う=腟内フローラのバランスが崩れてしまいます。そうなると、おりものの変化や膀胱炎などの引き金となることがあります」
エストロゲンの減少は、更年期になれば誰にでも起こること。下半身悩みは恥ずかしいと思わないことも大事だと言います。
「女性の尿もれや頻尿問題は、加齢による骨盤底筋の低下によるものが大半。気になりつつも放っておくと、子宮や膀胱、直腸などがだんだんと下がってきて、腟から体外に出てしまう骨盤臓器脱という病気につながることもあります。
人生も後半戦ですから、自分だけは大丈夫、と思わずに、正しい知識と正しいケアを身につけておくことも必要かと思います」
フェムテック、フェムケアと声高に叫ばれている時代。自分自身の健康のため、将来のために、積極的に知識を得ましょう。
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