【季節の東洋医学】酷暑を乗り切る50代の『秋収』習慣。夕暮れどきの内向き養生で心身を整える
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8月7日からは「立秋(りっしゅう)」、暦の上では秋のはじまりです。東洋医学では秋のリズムを「秋収(しゅうしゅう)」と呼び、立秋の時期からそのリズムがはじまっていると考えます。まだまだ厳しい暑さが続きますが、夕暮れどきのかすかな秋の気配を感じながら、心と体の養生で徐々に秋のリズムへとシフトしていきましょう。
猛暑でも体は秋モード?東洋医学が教える「秋収」の意味
もうすぐ立秋、秋のはじまりです。
……そう聞いても、きっと大半の人はピンと来ないことでしょう。
「こんなに危険な暑さが続いているのに、秋がはじまるなんて信じられない」と。そりゃそうですね。
今は暑さのピークであり、この先も当分猛暑が続くはず。暑さがやわらぎ、風が涼しくなってきてようやく「秋が来た」と感じられるのかもしれません。
ただ、暑いからまだ夏で、涼しくなければ秋ではないかと言うと、実はそうではないんです。
秋の本質は「涼しいこと」ではなく、「収束すること」だからです。
「春生夏長、秋収冬蔵」という言葉をご存じでしょうか。
そのまま「しゅんせいかちょう、しゅうしゅうとうぞう」と読みます。
中国に古くからある言葉で、春は命が生まれて芽吹き、夏は成長し、秋は収穫し、冬は貯蔵して次の春に備えるという意味。農業の1年のサイクルを示していますが、東洋医学の自然観を示した言葉でもあります。
東洋医学では、「秋収」の「収」は「収束」ととらえます。夏のエネルギーが秋には落ち着いて「収束」することに由来していますが、収穫も実りを刈りとってすっきりさせるという意味では「収束」のひとつ。夏には葉を広げたり枝を伸ばしたりと成長するために使われていたエネルギーが、秋になると凝縮されて実となり、やがて実も葉も落ちていくように、自然界のあらゆるものは夏までは外向き・上向きに発散され、秋以降は内向き・下向きに「収束」していくと東洋医学では考えられています。
だから、気温が暑かろうとも、エネルギーが「収束」しはじめるのが秋だとされるわけです。
例えば立秋は、1年で最も昼が長い夏至(6月21日)に比べて、日の長さが1時間近く短くなっています。動物や植物たちはその日の長さの変化を感知して、立秋の頃から秋の行動を開始。代表的なところでは、渡り鳥であるつばめが子育てを終え、旅の準備のために大量の昆虫を食べて脂肪を蓄えはじめたり、田んぼの稲が成長を終え、米を実らせるために緑色の穂を出しはじめたりします。いずれも外側から内側へとエネルギーをとり込んで、「収束」する行動です。
実は私たち人間も気づかないうちに日の長さを視覚からとらえていて、立秋の頃になると睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌が早まってくるため、なんとなく早く眠くなったり、夜はリラックスして過ごしたくなったりするようになっていきます。活動を早く終わらせて心身を休ませようとする、エネルギーの「収束」です。
また、この時期は夏バテ気味になる人が多くなりますが、これもエネルギーをこれ以上発散しないように体を守るための「収束」現象。頭では夏真っ盛りだと思っていても、体は「そろそろペースダウンしよう」と本能的にブレーキをかけているのです。実際に夏バテのときって、体のベクトルが内向きになっている感じがしませんか?
立秋を過ぎると、私たちの体は自然界の動物や植物と同じように、無意識のうちに夏の「発散」から秋の「収束」へと変化していきます。その変化を気にも留めず、暑さにまかせてエネルギーを過剰に発散しつづけると、涼しくなってくる秋分前後に秋バテになったりかぜをひいたりと、体調が不安定になることも。
暑い日々が続きますが、立秋からの「収束」の波に乗って、ここからは心身のベクトルを内側に向けて生活していきませんか?
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
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