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2024年8月号

2024年7月5日(金)発売
特別価格:1420円(税込)
表紙の人:永作博美さん

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【インタビュー】大人だからこそ響く、ブラジル発アニメーション『ペルリンプスと秘密の森』の魅力を監督に直撃!

大人のおしゃれ手帖編集部

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溢れる色彩と奥行きのある音楽、刺激的な世界観に酔う

メッセージ性にばかりフォーカスしてしまいましたが、この作品の魅力は、もちろん、映像の圧倒的な美しさや豊かな音楽にもあります。

クラエとブルーオが任務のために走り回る森、アレ・アブレウ監督が「子ども時代の象徴」と教えてくれた森は、色彩と光に満ちています。
「色彩のパレットは、この映画の重要な言語です。ペルリンプスは光として森に入り込みます。このアイデアを表現するために、さまざまな色のスペクトルで映画を溢れさせ、同じシーンにクロマティックサークル(色環)を使用しました。このアイデアが、私を遊び心に富んだとても自由な子ども時代という宇宙へ連れて行ってくれたのです。パウル・クレーが言っていた『本当は色が私たちを支配しているのであって、その逆ではない』という言葉が心に浮かびました」

各シーンの画は、時には眩く、時には暗く、2人の主人公の心模様を映し出します。それぞれの場面を切り取って、額に入れて飾りたいほど印象的です。アブレウ監督は、それらのインスピレーションの源は、さまざまな絵画だと語ります。
「この作品で参考にした作品に、まずはマティスの切絵を挙げたいと思います。ターナーの印象派らしいぼかしや、アントニ・タピエス、ジョアン・ミロ、パウル・クレー、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー、ブラジルのロバート・プール・マルクスやアルフレッド・ヴォルピからも着想を得ました。アンドレイ・タルコフスキー監督の作品が大好きですし、シネマ・ノーヴォのような1970年代のブラジルの文化運動からも影響を受けています」

アブレウ監督が挙げるアーティスト名には、ブラジル人監督ならではのセンスも窺われ、それぞれの作品を確かめてみたくなります。

なんとも幻想的で奥行きのあるサントラを担当したのは、アンドレ・ホソイ。アレ・アブレウ監督の幼なじみでもあり、ボディ・パーカッションをメインにしているグループ、バルバトゥッキスのメンバーです。

エンディングに流れるのは、ブラジルを代表するアーティスト、ミルトン・ナシメントの「Bola de Meia,Bola de Gude」。ブラジルでは誰もが知るこの曲に最後のバトンを託したのは、「少年が、リアルな世界、つまり大人の世界へ戻っていくということを強調する曲を持ってきたかったのです。すでにある、世界の一部になっている曲を」とアレ・アブレウ監督。

物語、映像、音楽。その全てに、まだまだ触れる機会がそう多くはない、ブラジル人クリエーターの世界観が投影されている『ベルリンプスと秘密の森』。私たちには、とても興味深く、刺激的なものです。

森林伐採や敵対する者同士の対話と共感など、アクチュアルなテーマをも内包しながら、さまざまな気づきをもたらしてくれる、この素敵な作品を届けてくれたアレ・アブレウ監督に、最後に伺ったのはこんなこと。

監督が、次世代の子どもたちに伝えたい思いとは?
「制作中、子どもというのはなんでもできる、強い力を持っているものだ、と考え続けていました。その力を持ってすれば、世界はもっともっと良くなる。よくすることを考えることができる。大人になるにつれて、子どもは自分たちの中に潜んでしまうけれど、希望の光として宿っています。もし困難に直面した時には、その希望の光が助けてくれる。その光こそが、闇の中でも私たちの道を照らす光なのです。それはインタビューの最初に話した、ある女性を井戸の中から引っ張り上げた、その光だと思います」


アカデミー賞ノミネート『父を探して』の
アレ・アブレウ監督最新作『ぺルリンプルと秘密の森』

テクノロジーを駆使する太陽の王国のクラエと、自然との結びつきを大切にする月の王国ブルーオの二人の秘密エージェントは、巨人によってその存在を脅かされる魔法の森に派遣 されている。森を守る唯一の方法は、光としてこの森に入り込んだ「ペルリンプス」を見つけること。敵対していた二人は共通する目的のために協力し合うことにする。しかし平和をもたらすという謎の生物を探すうちに、物語は思いがけない結末にたどり着く。そこに隠された人類への問いかけとは?  12/1(金) YEBISU GARDEN CINEMAほかロードショー。

脚本・編集・監督:アレ・アブレウ(『父を探して』) 
音楽:アンドレ・ホソイ/オ・グリーヴォ
2022年 ブラジル /原題:Perlimps/スコープサイズ/80分/日本語字幕 星加久実
後援:駐日ブラジル大使館 配給:チャイルド・フィルム/ニューディア― (c) Buriti Filmes, 2022 

公式HP :https://child-film.com/perlimps/

音楽が素晴らしい予告編もぜひチェック!

文/みよしみか

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大人のおしゃれ手帖編集部

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