【インタビュー】大人だからこそ響く、ブラジル発アニメーション『ペルリンプスと秘密の森』の魅力を監督に直撃!
自分の中に潜む「子ども」とリコネクトする
物語の中、クラエとブルーオは、ペルリンプスを探しながら、子ども時代の象徴である「森」を走り回ります。その道程で出会うのが、とぼけた顔立ちの「カマドドリのジョアン」。ジョアンも元々はエージェントですが、巨人の国で内偵していたら「自分が何者か忘れてしまった」と過去を語るのです。
このシークエンスも、アブレウ監督のメッセージボックスの1つのように思われます。
自分が本来は何者だったのか、何になりたかったのか、どう生きたかったのか…。悲しいかな、大人になるとそんな思いを忘れていくことがままあるのではないでしょうか。
「そういうお話はよく理解できます。アーティストは、自分は何者なのか、常に自分を模索しながら生きているものなので、私自身に具体的な経験はないのですが、映画を作るにあたってキーワードとして考えているのは、『改めてつなぐーリコネクト』ということなんです。少しスピリチュアルな話にもなりますけど、目に見えない、神聖なものとの新たなつながりを考えることがあります。私自身は、
仕事をしているとき、自分の中にいると思われる子どもを自由にさせ、私の代わりに話すことができるようにすることが多いですね」
自分が何者だったのか忘れそうになっても、自分の中に、確かに「子ども」が潜んでいることに気付いてみれば、子ども時代に抱いていた万能感や夢といったものにもリコネクトできる、そんな気がしてきます。
カラフルな森が子ども時代のメタファーであるように、謎の生き物「ペルリンプス」は、子ども時代には誰もが持っていた「希望の光」の象徴。ポルトガル語でホタルを意味する「ピリランポス」から着想を得て生まれた造語だということがストンと腑に落ちました。
——秘密の森や空、雨や湖などを彩る色彩は、作品の重要な言語。ターナーやジョアン・ミロ、パウル・クレーなどの絵画に影響を受けたという。
——空を飛ぶ、禍々しくもどこかユーモラスな鳥は、巨人の操る戦闘機。ふとしたデザインの妙に目を奪われる。それにしても巨人とは一体何者なんだろう?
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