エディター・マシロの「あつまれ! 美韓男子」vol.2
どこにでも居そうで、絶対に居ない! 韓国美男「チョン・ヘイン」
笑顔を封印した”ハード系チョン・ヘイン”で
俳優として更に脱皮!
満を持して出演したNetflixドラマシリーズ『D.P. -脱走兵追跡官-』(2021年)では、これまでとは異なり、ほとんど笑顔を見せない役に挑戦しました。
チョン・ヘインが演じる主人公アン・ジュノは元ボクサーで社会の理不尽さに静かな怒りを燃やす寡黙な青年。毛穴や肌の汚れまでしっかりと映すリアリティ重視の撮影で、兵役を経験したチョン・ヘインも「あまりにも軍隊と同じで、時々混乱するくらいだった」というほどリアルな軍隊を表現。これまでのキラキラとした恋愛もののドラマとは全く異なる世界観で、新しいハードな魅力を披露してくれました。
実際に陸軍で起きた事件をベースにして描かれた物語は、これまでヴェールに隠されていた軍隊内の苛烈な暴力といじめ、LGBTQ差別などを赤裸々に描いています。
ジュノたちは脱走兵の足取りを追うなかで、それぞれの事情にぶちあたることになります。辛く、ヒリヒリするような理不尽な脱走の理由に同情せずにはいられないのですが、脱走兵とぶつかりあいながら、自分の気づき、そして動揺と悲しみをビビッドに表現しています。同じチームとして一緒に脱走兵を追うハン・ホヨル役のク・ギョファンとのケミストリーも最高。
この作品は韓国で最も名誉のあるアワード『百想芸術大賞』で、同年の大人気ドラマシリーズ『イカゲーム』を抑えてTV部門の作品賞に輝きました。チョン・ヘインは最優秀男性演技賞のノミネートを果たします。
その後、ブラックピンクのジスと共演し北朝鮮の諜報員役を演じたDisney+『スノードロップ』、Disney+ 三池崇史監督の『コネクト』などの作品でも同様に、ハードボイルドなキャラクターを演じ、チョン・ヘインの表現力の広がりは留まることを知りません!
Netflixシリーズ「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン1~2独占配信中
萬代悦子(マシロエツコ)
エディター/ライター萬代悦子
ポン・ジュノ監督の映画『殺人の追憶』で韓国ノワール映画の虜に。その後、遅ればせながら2019年に『愛の不時着』で韓国ドラマの凄さを知る。最推しドラマは『マイ・ディア・ミスター』『私の解放日記』『ムービング』。最近は韓国現代アートにも興味津々。