【インタビュー】アマミヤアンナさんに聞く、自分にとっての”心地いい状態”を知る呼吸法とは?
−3分間−
平: 気持ちがよくて眠くなりました。そして、ほのかに香りを感じるようになりました。
ア: はじめに灯したアロマキャンドルですね。これは岩手で香りのセッションを行っている「香りの薬局」の佐々木香織さんに作っていただいたものです。強すぎない香りが呼吸のワークにぴったりで、今では欠かせません。
平: 最初は気づかなかったけど、今は結構香ってますよ。
ア: 呼吸をすると感受性が高くなるんですよ。
平: 敏感になっているのかも。
ア: もう一つ、感覚を呼び覚ます助けになるように使っているのが、シンギングリン。倍音の響きが体中に広がって心地よくて。これだけでも整いますよ。
平: 優しい音!
ア: あとは、その日にピンときた石などを並べておくこともあります。長野に引っ越してから急に石に興味をもつようになったのですが、場を整えてくれるなと感じていて。気持ちよく「はく」ための場を作るために、心地いいなと思えるものたちにサポートしてもらっています。
平: 嗅ぐ、聴く、視る感覚が呼び覚まされますね。物理的にも気づきのポイントがあると、家でも実践しやすいですね。
ア: 次に声を出す「あ〜の呼吸」をやってみましょう。
平: 声を出した方が、はきやすいってことですか。
ア: 声を出すと自然と「はく」ことにつながるのと、声っていちばん身近な楽器でもあるから、それを使いましょうと。いろいろ試してみて「あ」の音がいちばんしっくりきたので、「あ〜の呼吸」と名づけました。まずは胸にフワッと手を置いてください。鎖骨の下に人差し指と親指が触れるようにして。あーと声を出していきます。あ〜。
平: あ〜。
ア: 胸に響く、声の振動を感じてください。心地いいなと思うだけ続けたら、最後、息を吸うときに手を上のほうに、ゆっくり優しく離していきます。手を離すと胸が膨らんでいくような感じ。
平: 声の響きが体の中と外に感じられて、循環しているイメージになりますね。日常から少し離れた、この諏訪の土地で行っていることも大きいですね。焦ったり、急かされたりすると、呼吸はすぐ浅くなりますから。
ア: そうですね。この場所でたっぷりと心身を緩めて、帰ったらいつもの日常に戻りますが、呼吸法はいつでもどこでも、道具なしでできるのがいいところです。「あ、呼吸が浅くなってる」「頭が混乱している」と思ったら、ワークを思い出して、息を「はく」呼吸を試していただけたらと思います。
平: 家でやるなら朝と夜どちらがおすすめとかはありますか?
ア: 疲れてる人は夜がいいですね。よく眠れるように、まずは疲れをとることが先決です。元気な人は朝。心と体を活性化してくれます。朝と夜、両方できたらすごくいいですね!
平: 呼吸って、生まれた瞬間から当たり前にしてることで、だからこそそこに「方法」があると知ると意識が変わりますね。水を選ぶのと同じように、呼吸の深さを考えるって大切なこと。生きるための基本を考えるってことですから。
ア: 呼吸を変えるって土壌改良みたいなことだから、時間がかかります。1日3分でも続けるといいですよ。
平: 本当にそうですね。植物も土の中に空気を取り込まないと生きられないですから。普通すぎて見逃していたことを意識することで、心身が整うということですね。
ア: 自分の呼吸を意識してみると何かしら発見があるかなと思います。
〜 私へ贈るメモ 〜
「呼吸はいちばん身近でいちばん心強い相棒になる」
聞き手
フラワースタイリスト
平井かずみさん
フラワースタイリスト。全国各地で花の教室やワークショップを開催。雑誌、テレビ、ラジオなどで幅広く活躍し、 〝日常花〟を提案。「seed」と名付けた新しい試みとして、「すぐそばにある自然の営みに気づくことで、私たち自身の感性を育む」ことをテーマに、2020年の末には花のタブロイド「seed of life」を、21年の5月にはウェブサイトを(www.seed-of.com)を、2022年2月にアトリエ「皓-SIROI-」を立ち上げた。
アマミヤさんが宿泊型リトリートを行っている宿
信州しもすわ温泉 「ぎん月」
諏訪大社 下社 秋宮のほど近くにある宿。下諏訪は甲州街道と中山道が交差し、かつて宿場町として栄えた場所。宿の周りには本陣、旅籠、茶屋、番屋跡、路地などとともにかつての風情を感じることができる。
http://www.gingetsu.com/
撮影/宮濱祐美子 文・編集/竹田理紀[mineO-sha]
大人のおしゃれ手帖2023年12月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
この記事を書いた人
ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中! ※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Instagram:@osharetecho
Website:https://osharetecho.com/
お問い合わせ:osharetechoofficial@takarajimasha.co.jp
関連記事