「大人のための絵本」vol.18 モデル・アンヌさんの名作選
言葉って面白い
『翻訳できない世界のことば』
著:エラ・フランシス・サンダース 訳:前田まゆみ(創元社 1,760円)
「モーンガータ」「サマル」「ピサンザプラ」……。これらの意味を知っていますか? それぞれ、スウェーデン語の「水面にうつった道のような月明かり」、アラビア語の「日が暮れたあと遅くまで夜更かしして友達とたのしく過ごすこと」、マレー語の「バナナを食べるときの所要時間」という意味です。さまざまな言葉に含まれた文化や習慣を映し出す一言は、訳すのが難しいと同時に世界観が広がる面白さがあります。トゥル語、ヤガン語といった珍しい言語や、日本語の「木漏れ日」も登場。線の細い絵も素敵です。
『これはすいへいせん』
文:谷川俊太郎 絵:tupera tupera(ツペラ ツペラ)
(金の星社 1,650円)
「つみあげうた」の絵本です。「これはすいへいせん」から始まり、次のページは「これはすいへいせんのむこうからながれてきたいえ」というように。ページをめくるごとに文が増えていき、文章の意味が変形していきます。すると見えている世界にどんどん奥行きができ、視野が広がっていく。言葉の面白さと、ユーモアのある展開に導かれて読み進めると、あれ? ふとした発見から時間と空間の迷宮にはまる、不思議なサプライズも待っていますよ。おしゃれな絵、工夫を凝らしたブックデザインなど、魅力溢れる一冊を開いてみて!
*画像・テキストの無断転載はご遠慮ください
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この記事を書いた人
モデル、絵本ソムリエアンヌ
14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒業。 モデルのほかエッセイやコラムの執筆などで活躍。 最近は地域で絵本の読み聞かせ活動も行っている。
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