「大人のための絵本」vol.16 モデル・アンヌさんの名作選
笑いとユーモアで福を!
アメリカ流!? 心が和むユーモア
こんにちは。アンヌです。
2024年は、少しでも気持ちが明るくなるよう、ユーモアに触れる機会を増やせたらと思います。
とはいえ、笑いの感性は人それぞれです。自分が面白いと思っても、共感を求めるのは難しい場合もあります。
昨年の秋のこと。フランスに住む私の母が、中寿(ちゅうじゅ:80歳)祝いのパーティの準備をしていました。大勢のお客さまを招こうとしていると、お城を提供してくれるという友人が。
お城というと大層なイメージですが、フランスでは立地や広さはさまざま。「セレブ」でなくても持ち主になることはできます。今回のお城は地方にあってスペースは十分だったので、あの人もこの人もと声をかけていたら、招待客は100人ほどになりました。
ところが、直前でお城の持ち主は場所を提供するだけと分かったのです。地方での食料調達、勝手の分からない台所、全員分の食事の準備……。母は途方に暮れました。
そこへ、一通のメールが。アメリカの従姉からです。
「フランスに遊びに行きたいの」。
いよいよ母に余裕がなくなりました。
「申し訳ないけど、パーティの準備で迎えるのはとても無理」。
すると従姉は、「お城に行けば会えるのね」と返事。自力で向かうし、料理の手伝いもできるとのこと。そして、最後にこんな一言が添えてありました。
「パーティに参加できるのを楽しみにしています。そこに私が出席することで、せっかくのパーティを台無しにしちゃうのはもっと楽しみ‼」
これには母も大笑い。準備の不安が一気に吹っ飛んだそうです。
非常識で失礼とも聞こえることを冗談にして、和ませようとしたのでしょう。その風変わりな気遣いに、私もクスリ。
でも、この感覚、誰しもに通じるものだろうか……。
ともあれ、アメリカの従姉は約束通り100人分の野菜料理を担当。お陰で、招待客全員にきちんと食事が行き渡ったそうですよ。めでたしめでたし。
今回は、この従姉に感化され、ぶっ飛んだ発想で和ませてくれるユーモアあふれる作品を選びました。笑いでエネルギーチャージして、新しい年に福が訪れることを願って。
この記事を書いた人
モデル、絵本ソムリエアンヌ
14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒業。 モデルのほかエッセイやコラムの執筆などで活躍。 最近は地域で絵本の読み聞かせ活動も行っている。
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