「大人のための絵本」vol.20 モデル・アンヌさんの名作選
人生は長い! めくるめく人とのつながり
『100年たったら』
作/石井睦美 絵/あべ弘士
(アリス館 1,650円)
昔、広い草原にりっぱなライオンがひとりで暮らしていました。そこへ飛べなくなった一羽の小鳥が。餌食にしないで二人でいたい。次第に友情を育むようになります。100年が経ち、ライオンと鳥はいかに、そして最後には……。関係性は時と共に変わり、大切なつながりは残ってゆくというメッセージにも。私たちのこれからに光を投じてくれるような、ビッグ作家二人による作品です。
『おおきな木』
作/シェル・シルヴァスタイン 訳/村上春樹
(あすなろ書房 1,320円)
大好きな大きな木のところへ毎日やってくる少年。葉っぱを集めたり、枝にぶら下がったり。木陰で休むことも。そんな少年の成長を木は静かに見守り続けます。年月と共に、木は少年が要求するものを与え続け……。村上春樹の優しい文体の訳で、無償の愛が心を揺さぶる世界的名作。長い年月の間に、関係が変わっても、与えること、受け入れること、そして思いやることはきっと喜びとして残ると思わずにはいられないでしょう。
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この記事を書いた人
モデル、絵本ソムリエアンヌ
14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒業。 モデルのほかエッセイやコラムの執筆などで活躍。 最近は地域で絵本の読み聞かせ活動も行っている。