【漫画レビュー】本当に面白い漫画『しあわせは食べて寝て待て』ベストシーン紹介!
“ゆれる自分”に響く、珠玉の名言が深い!
そして、ぜひ皆さんに味わっていただきたいのが、じんわりとやさし~く心に響く言葉たち。
そもそもこの漫画には、色々な事情で理想通りではない「今」を懸命に受け入れようとしている人達がたくさん登場します。
強い自分になるためにコツコツと大切な何かを積み上げてきたはずなのに、突然の病気やそれに伴う体調不良、仕事での人間関係、家族との問題の影響で、考え方や生き方までもゆらいでしまう「今」。
そのゆらぎを「甘え」だとか、「逃げ」と表現するのではなく、“事情”を抱えながらも前に進めるような気持ちにさせる言葉をくれる登場人物たちに、ゆるりと、でも確実に癒やされるはずです。
この漫画で、私が最初に強烈に心をつかまれたシーン。ゆらぐ「今」の原因ばかりを探るのではなく、美味しいものでも食べて未来に希望を託すという考え方にハッとしました。
さとこさんが働くデザイン事務所にやってくる、ギンナン舎の編集者・青葉さん。この「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉は青葉さん自身に向けたものでしたが、「頑張れない人間」と自分を評するさとこさんにもグッときたようです。
具合が悪いなか壁にぶつかると、以前はさとこさん自身もとことん落ち込んでしまっていたよう。少しずつ元気になってきたさとこさんが、自分の経験をもとに知人の高校生にやさしくアドバイスするシーンは、心がじんわり温かくなります。
4巻では、司さんの友人の八つ頭さんと、ファミレスで知り合ったりくさんとのやりとりも印象的。独身でいることにひけめを感じるりくさんに、八つ頭さんが思いやりのある言葉を投げかけます。そして、実は長年引きこもりで、人と話すこともままならなかった八つ頭さん。こんな素敵な言葉を投げかけられるようになって……と思わず母親のような気持ちにもなってしまいます。
©水凪トリ(秋田書店)2021
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