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大人のおしゃれ手帖 2月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2026年2月号

2026年1月7日(水)発売
特別価格:1740円(税込)  
表紙の人:鈴木保奈美さん

2026年2月号

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「大人のための絵本」 モデル・アンヌさんの名作選 
時を忘れて見入ってしまう伝統技術
~『藍染めのアポレンカ』『きんつぎ』~ vol.40

アンヌ

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オンリーワンからユニバーサルへ

 こんにちは。アンヌです。2026年もどうぞよろしくお願いいたします。
 最近シャナさんという方のインスタグラムをフォローし始めました。投稿の内容は、「最重度知的発達障害」を持つ二十歳のお子さんの様子や 、「多様性個育てⓇ」のコーチング。がん告知を受けてからはサバイバー日記も加わりました。惹かれる理由は、レア体験そのものより、この状況をどう捉えて活かしているか。明るく前向きな画像を見ていると、同じ経験をしていなくても人生観を揺さぶるような説得力があると感じています。また、ファッションや暮らしぶりも素敵で、楽しい!
 その彼女が先日、短期で渡米した時のこと。投稿には、日本と違って洋服のサイズがたくさんあり、ピッタリのものが見つかるのでハッピーだとありました。手足がとても長いそうで、「ツンツルテン」にならずに済むと。私も、足はさておき、背が高く腕が長いのでいたく共感! オランダのファッション界隈で感じた安堵感や幸福感を思い出しました。
 日本の服飾メーカーの多くは、なぜサイズ展開をS・M・Lに限るのでしょう。さらには、「フリーサイズ」だけが並ぶお店もあります。「どんな体型でも合う」というこの言葉の本来の意味とは違い、「スモールじゃん!」と試着を諦めてしまいます。一方でLを着てみると、横幅ばかりが大きくしっくりこないことも。仕方がないのでメンズのMへ。こうなったらハンサムウーマンを目指すしか術(すべ)はないのか……。大柄仲間と「わたしたちだって可愛いレディースが着たい!」と叫ぶこともしばしばですが、小柄な友人たちも同じ。もう子ども服コーナーに行きたくないって。
 日本でも180センチ近い女性とすれ違うことは珍しくなくなり、以前よりさまざまな体型や国籍の人々が暮らすようになりました。また、未来に向けたSDGsの共通の目標では、体型、性別、肌の色などに関係なく、「誰一人取り残さない」がスローガンになっています。だからこそサイズ展開を豊富にして、すべての人が気持ちよく日本の服をまとえるようになればいいのにと思うのです。
 ふとイッセイミヤケの「プリーツプリーズ」が頭をよぎりました。性別をあまり問わず、どんな体型にもフィットし、スタイリッシュに着こなせるボーダーレスな服! なんて個々をリスペクトしているブランドなのだろう。この技術は、日本の折り紙や着物の「折る・畳む」の文化に発想を得ているのだとか。面白いのは、唯一無二の日本の文化、古き良きものを守るためにややもすると閉鎖的になりかねない伝統技術が、ユニバーサルな服の形となり、広く世界に浸透していること。本物の伝統とは、排他的ではなく、むしろ世界を包み込む寛大な要素があるものなのかもしれない、そう思うのです。
 さて、シャナさんですが、投稿によれば本の出版準備中だそうです。彼女の唯一無二の体験が、広く共感を生むのではないかなと、発売を楽しみに待っています。
 今回の絵本です。受け継がれてきた伝統技術が多くの人の心に響く物語2作を選びました。何時間でも見入ってしまいますよ。

*次ページではアンヌさんのおすすめ2冊をご紹介します

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この記事を書いた人

モデル、絵本ソムリエ アンヌ

モデル、絵本ソムリエアンヌ

14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒業。
モデルのほかエッセイやコラムの執筆などで活躍。
最近は地域で絵本の読み聞かせ活動も行っている。

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